遊園地は眠らない
暗闇が訪れる。

「萌絵、なんで? 懐中電灯つけて」

あわてた声で下沼さんが言った。

「どこ? ・・・萌絵?」

不安げな声が暗闇に聞こえる。

まず、雅哉が動いた。

下沼さんの後方に音もなく回ると、その目と口を両手で押さえた。

「ンンンンン!!!」

くぐもった悲鳴が聞こえた。

暗闇では何も見えない。

必死で体を動かそうとするが、雅哉の力は強い。

すばやく下沼さんの両手を後ろ手にすると、おもちゃの手錠をかける。

顔には、七海が黒いごみ袋をかぶせた。


それを後ろでしばる。
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