遊園地は眠らない
もう下沼さんは動かなかった。

その場で静かに泣いている。

動きがないことが不満なのか、雅哉が足先で体を軽く蹴ってみる。

それでも下沼さんは嗚咽を漏らすだけ。

まるでおもちゃが壊れたかのように、つまらない表情になった雅哉が鼻でため息をついた。

あごで出口の方を指すと、他のメンバーはぞろぞろとそっちへ向かった。

もう一度、雅哉は下沼さんのお尻のあたりを蹴った。

反応がないのを見ると、肩をすくめて出口から出て行った。


再び暗闇が訪れた。


それでも下沼さんは泣きつづけていた。

その声はだんだん大きくなる。

「うう…ううううう」
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