遊園地は眠らない
やがて、それは叫び声に変わる。

「うぎゃあああああ!」

全身から、悲しみを放出するかのような途切れない声。

声の限りをつかって泣き叫ぶ。

それも治まってくると、ゆっくりと体を起こした。

後ろで固定された手で、手錠を外そうと体をひねりながら動く。

おもちゃの手錠は、レバーを押すだけで簡単に開いた。

両手のそれを取ると、狂ったような奇声をあげながらそれを投げ捨てる。

続いて、顔にあるゴミ袋を乱暴に破く。

倒れた時に出たのか、鼻血が顔を赤く濡らしていた。

涙と混じってあごからこぼれ落ちる。

足首のロープをほどくと、またその場で泣き声を上げた。

気が狂ったかのように床を両手でガンガンと何度も叩いた。
< 221 / 351 >

この作品をシェア

pagetop