遊園地は眠らない
「そうだね・・・。お葬式でもあるまいし」

「え?」

私の何気ない一言に駿が顔を上げた。

「お葬式でもあるまいし、って言ったの」

「それだ!」

突然大きな声を出されて、体が跳ねるくらい驚いた。

胸が脈を打っているのがわかる。

「咲弥、俺たち今日、葬式に行ったんだよ」

「え?」

冗談かと思って笑ってみるが、駿はマジメな顔で私を見ている。


お葬式?


行ったっけ・・・?


「思い出せない? 葬式に行ったんだよ」

「・・・」
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