遊園地は眠らない
心がおだやかな湖のように静まっている。

私は、駿を見た。

ガタガタと震える情けない男。


「死ぬのはそっちだったね」


そう口にした私は、知らない間に笑っていた。

長い片想いの呪縛から解き放たれた解放感かもしれない。

「お前・・・」

信じられないといった表情で目を見開く。


ガガッ


固定バーが少し上がった。


「ぎゃあ」


体が浮き上がる駿。

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