遊園地は眠らない
下沼さんがまた力を入れる。

「やめろ! どけよっ! があああ!」


ガガガッ


さらに浮き上がった駿の下半身が宙にもがく。

必死で、ステップに足を乗せようとするが、自転車をこいでいるように回っているだけ。


「さようなら」


そう言ったのは私だったか、下沼さんだったか。


ガクンッ


と音がして、固定バーが上がった。


「うわあああああ!」


一瞬で駿は隣の席から消え、下のレールに音を立てて落ちた。
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