遊園地は眠らない
「あなたは私。だからあの夜、みんなからひどい仕打ちを受けたのはあなたなのよ」

なにも考えられない。

首を振りながら、耳を強く押さえた。

聞きたくない。

そんなこと、私は知らない。

「ほら」

下沼さんがなにかを差し出した。

ゆっくりと顔をあげた。

「鏡。暗くて見にくいけど、見ればわかるよ」

「見ない」

私は、すぐに顔を伏せた。


「・・・怖いんだ?」

「・・・」

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