遊園地は眠らない
「どこまで・・・話しましたか?」

夢中になって話していたせいか、まだ記憶がごっちゃになっている。

うまく話せたかすら自信がない。

「鏡を見て、記憶が戻ったのよね?」

メモ帳を見ながら、藤森さんが言った。

「そうです」

「それから?」

「え?」

「下沼さんは、まだそこにいたの?」

藤森さんは顔だけを私に近づけて尋ねた。

ええと・・・。

「いえ、記憶が戻るともうそこに下沼さんはいませんでした」
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