遊園地は眠らない
「ここのキャラクターだよね。なつかしいなぁ」

クマは人差し指を口にあててくねくねとしている。

かわいらしいポーズをとっているのだろうが、夜だと微妙。

「ドリームズランドだから、『夢くん』て安易なキャラクターなんだよ、ね?」

そう言いながらは陽菜はポンポンと夢くんの肩を叩いている。

当の夢くんは両手をほっぺに当てて大きく何度もうなずいていた。

名前が時代の古さを感じさせるし、キャラクターにしては目が小さくてかわいくない。


じーっと見ていると、夢くんが青いズボンのポケットから紙を取り出して七海に渡した。

「なによ」

そう言いながら受け取った紙をみんなで見る。

そこには、ただの四角の線が5個書いてあるだけだった。

それぞれの四角の下にひとつずつ乗り物の名前が書いてある。
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