遊園地は眠らない
藤森由希子はカルテを書き終えると目頭を押さえて、
「ああ・・・」
と、声を漏らした。

もう、ずっと徹夜していたような疲れが体にあった。


いつの間にか夜になっている。


今朝、出勤してきた時は、これほどの事件の容疑者と接見するとは思ってもいなかった。

今もニュースでやっているだろう、この事件。

この精神病院にも、たくさんの取材の電話が来ているらしい。


・・・下沼咲弥の顔を思い出す。


あの華奢な子が、6人もの同級生を殺害したなんて。
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