遊園地は眠らない
___ジジッ コトン

軽快なメロディーが小さくなり、またアナウンスが流れる。

『みなさん、空の旅はいかがでしたでしょうか? またのご利用をお待ち申し上げて…』

「おい!」

雅哉が途中で怒鳴った。

「そんなこと言ってる場合じゃねぇんだよ! 人がひとり落ちたんだよっ」


5秒ほど沈黙が流れた。


音楽が止まる。

雅哉の声が聞こえているのだろうか。

『ご報告致します。お客様の中でケガをされた方がおられます。しかし、ご安心くださいませ。陽菜様は、現在救急車で病院へ向かっておられます。念のためお連れしておりますが、幸い軽傷とのことです』
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