遊園地は眠らない
開園当初からあるのだろう。

看板はかなり古く、ところどころ文字が見えづらかった。

イメージキャラクターの『夢くん』のイラストも、顔が半分消えていて気味が悪かった。

「笑える。日本最大級だって」

七海がそう言うが、いつも合いの手を入れてくれる陽菜がいないことに気づき、
「ね?」
と雅哉に言った。

「ふん」

興味がなさそうに入口へ行く雅哉。


たしかに当時は日本最大級だったのかもしれないが、今では遊園地でなくても観覧車はあるし、もっと大きいものはいくらでもあるだろう。

「早くしろよ」

雅哉の声が聞こえ、私もいそいで入口へ。
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