Sweet†honey
ザザーッ


少し強めの風に煽られる街路樹の葉音が頭上からふってきた。
スマホを支えてる指がキリキリ痛いっ‥‥手袋ほしいかも。。
祈るように【葉】を見上げて、すぐさま視線を前方に向けると



バスの停留所に滑り込んできたバスのドアから、数人ほど歩道へと降りてくのが見えた。



停留所の前にはファミレスがあってね、降りてそのまま駆け足でファミレス入り口へと向かうひととかもいるんだよね。







『待ってましたよ?理香子さん』

スマホから聞こえてきた声に一瞬戸惑う。





‥‥‥は?
待ってましたよ?理香子さん?



まてまてまて
なに?この声。じじいみたいな声。風邪ひいた?!
しかも【理香子さん】って。
貧乏店長は私のこと【りかぴー】って呼ぶのに




街路樹の下で立ち止まる。




「っもしもし?店長?」
風に靡く長い巻き髪を、指で掬(すく)って耳にかけた。



『ほっほっほっ。私(わたくし) アタマガケンジンと申します』
車道を走り抜ける車の音に混じるように、へんてこりんな笑い声。





‥‥‥アタマガケンジン?
は?

アタマガケンジン??





眉間にシワを寄せて
スマホを耳からはなして
もう一度画面を確認するの。


‥‥‥ま、間違えてはないよ。。ね
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