Sweet†honey
顔を傾げながら、恐る恐るスマホを耳にあてた私の視界に、停留所に停車していたバスが『プシュー』の音と共に、次の停留所に向かう為に動き出したのが見えた。



「あの‥‥この電話って貧乏店長の番号ですよね?」
何かを確認すべく、ゆっくりと話していく。

『ほっほっほっ‥』
不気味な笑い声が耳にひびく。



‥‥ばかにしてんの?からかってんの?
なに?
なに笑ってんの?
貧乏店長なら、やりかねないよな‥‥


そりゃキャバクラ【Bottakuri】が赤字でさ?
雇われ店長でしかない貧乏五面がさ?
数日前に?突然?店辞めるわって飛び出した私にさ?
給料払いたくない気持ちは、分からなくもないよ?

そりゃ
残ってる女の子の給料も払えないとか?私にさ?打ち明けてくれたじゃん?
珍しく真面目な顔で。。







でもね

それとこれとは別だよね。だってさ?
給料はちゃんと振り込むから安心してって言ってたじゃん。



言ってたくせに
知らぬ存ぜぬで、間違い電話を貫こうとしてんのかこら
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