文学少女と甘い恋
本が大好きなわたしが思わず本を落としそうになるという失態をおかしそうになった。
それぐらい衝撃的で。
……なんで甘樫くんがここにいるんだ。
見間違えるはずもない、あの特徴的な髪。
腕に顔を伏せて寝ているようだけど(つまり顔は見えないけど)あれは絶対に甘樫くんだ。
心中穏やかではなかったものの、体は別でそろそろと甘樫くんのもとへ。
いや、もともとわたしのカバンがそこにあるってだけで『甘樫くんのそばに寄りたいな、てへっ』なんて気持ちだったわけではない、決して。
近寄るとスゥスゥと気持ちよさげな息遣いが聞こえる。
……ほんとに寝てるんだ。