線 香 花 火

そっと唇を離す。

いつもなら、私が先に離せば夏樹は再び求めてくる。

なのに、今日に限って夏樹は求めてこなかった。

それに物足らないと感じてしまう私。

もう一度…と思って背伸びをすると、「花火しよっか。」と言われてしまった。

少し恥ずかしくなって俯きながら、私はコクリと頷いた。

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