線 香 花 火
千香
「正直ウザイんだよねぇ。」
「…今の彼氏?」
「そう。」
そう言って、千香は男の胸に背中を預けた。
後ろから覆い被さるように、男は千香の耳元で吐息混じりに囁いた。
「別れちゃえば?」
クスクスと笑って、千香は体をくねらせる。
「だ〜め。楽しいんだもん。」
「どうせ俺は2番目だよ。」
男の手が千香の頬に伸びる。
「2番目だから1番になれるのよ。あたし、本命が1番な訳じゃないの。」
千香の手が男の首に絡まる。
小鳥のようなフレンチキスから、だんだんと激しさを増していく内に、千香の口から甘い吐息が漏れる。
「ふ……好きよ…、リュウ…。」