甘い王子様の愛しい人
今日も見てくれたなぁ、と内心小躍りしそうな気持ちになる。
でも実際のところ、最近はそれだけじゃ満足できなくて。
もっとオレを見てほしいし、声を聞かせてほしいし、笑顔を見せてほしいし、触れたいし。
むぅ、と彼女の横顔を見つめる。
茶色がかった黒髪がサラサラと風になびいている。
意志の強そうな瞳は黒く、宝石のように輝いて。
滑らかな肌は対照的に雪のように真っ白。
本をたしなみ古風な雰囲気は文学少女という感じ。
あぁ、もうほんと好きだなぁ。
その髪に触れたい。
瞳を覗きこみたい。
白い肌を赤く染めて、オレの印を刻み込みたい。
小さな体を抱きしめて、彼女の香りを感じたい。
ほんと、好き過ぎる。
自分でもあからさまだと思うぐらい表に出しているのに。
(気づいてくれないんだよねぇ)