甘い王子様の愛しい人
ふふ、耳まで赤くなってる。
かわいいなぁ。
だからゆゆのこと、許しちゃうんだ。
それに、こうやってゆゆを染めてるのがオレっていうのが嬉しくてたまらないんだよねぇ。
「これね、ベルガモットの匂いだよー」
「あぁ、柑橘系の…」
「そうだよー」
きゅう、と抱きしめる力を強くするとゆゆに苦しいと言われて。
でも離す気は毛頭ない。
ゆゆも仕方ないなぁ、ってされるがままだし。
うーん、かわいすぎて食べたくなる。
一度そう考えてしまうとうずうずと体が動き。
抱きしめていた腕を外し、ゆゆの体を反転させて向かい合うようにする。
上目でオレを見るゆゆの姿はとても魅力的で。
ほんのりと染まった頬に手を添えて、小さな唇に自分のそれを重ねる。
柔らかくて甘い感触をしばらく堪能してから離れれば、恥ずかしそうな様子を気取らせないような強い目でゆゆはオレを見る。