甘い王子様の愛しい人
でもね、ゆゆ。
瞳はうるうるだし、頬は赤いし。
それはオレを煽ってるだけなんだよ?
これからもそういうかわいい姿を見たいから言わないけど。
あぁ、もう本当にかわいいなぁ。
食べたい。
好きすぎる。
「……甘樫くんは、いつも突然すぎます」
「やだった?」
こてん、と首を傾げてゆゆを見れば視線をそらされて。
しまいにはうつむかれてしまい。
え、本当にいやだったの?
そんなに?
もしかして、嫌われた?
「ゆゆ……っ、!?」
ごめんと言いそうになった唇は、さっきまでの柔らかい感触に阻まれて。
「……お返し。ざまあみろ、です」
真っ赤な顔でそう言って、ゆゆはオレの胸に顔を埋めた。
そろそろと背中に回った腕がその存在を強く主張していて。
あぁ、もう本当に
「ゆゆはかわいいねぇ」
ふふ、と笑ってオレはその真っ赤に染まった耳にちょん、と唇を落とした。
Fin.