チョコレートと甘い罠
「さ、佐野っ。」
「ぷっ、顔真っ赤。」
「なっ、うるさいな!!」
(そっちだって、真っ赤の癖にっ!!)
「あぁーやっと俺の物になった‥‥。」
「うっ‥‥。」
「美穂さ、今年お前にチョコ欲しいって言ったの、なんでかわかる?」
「え?」
「掛けたんだよ。お前が俺にそう言われたとき、チョコを作るかどうか。」
「へ?」
「俺が好きなら、お前ならチョコ作ってくれるんじゃねーかなって思って。」
“ま、見事あたりだったわけだけど”
にやりと口を緩める姿がまたムカつく。
なのに、愛しいなんて思ってる私はどうかしてしまったのだろうか?
「美穂。好きだよ。」
「‥‥うん。」
いつもはもらう側だったバレンタイン。
それなのに、今年はとんでもない罠が貼られてた。
「来年は、もっと上手くなっとけよ?」
「うっ‥‥わかりました‥‥。」
けど、来年からは、私もあげる側に回ることになりそうです。
END