ホワイトデー最終決戦
どうにもイラつく気持ちがおさまらなくて、よくよく自分について考えてみた。
なんでこんなに苛々するんだ。
人事だろ。俺には関係ないはずなのに。
和歌なんて俺のこと勝手にライバル扱いしてるし。
そりゃ、元気で気もいいやつで、和歌が笑えば楽しいけれど。
春香が親友って言ってるのに裏切られたら大泣きすんのかなとか、なんだかんだ一途だし、失恋して世をはかなんだらどうしようとか思ったりはするけど。
つか、俺ってなんでこんな和歌和歌和歌って。
そうして思い当たる。
俺はもしかして和歌が好きなんじゃないか?
だったら、俺のほうが最悪だ。
自覚する前から失恋してるってことじゃん。
頭を抱えて落ち込んで。
まあでも伝えたわけじゃないから表面的には何も変わらないまま、悶々とした感じで一年は終わろうとしていた。
そして聖・バレンタインデー
その数日前に、俺たちの関係を動かす出来事が起こった。
事の始まりは克司だ。
この鈍感無神経な男は、事もあろうに和歌に春香が好きなんだと相談したんだという。
タイミング悪く、同時に和歌は春香が綺麗に隠していた恋心にも気付いてしまった。
自分を気遣って気持ちを隠す親友への苛立ちと失恋。
同時にそれを知ってしまった和歌は痛々しいくらいに荒れた。