ホワイトデー最終決戦

けれど、結局和歌はその気持ちを自分なりに消化した。

唐辛子と塩コショウ入りのチョコレートを作って、これで告白しなさいと身を引こうとしていた春香にけしかけたのだ。

すげぇな、と思った。

俺が知る限り、和歌は本気で克司が好きだったんだ。

そして春香のことも、ものすごく信頼していた。

その二人がくっつくなんて想像しただけで嫌だろ。俺だったら滅入る。ぐれる。


でも和歌は、それだけの気持ちをあのゲテモノチョコに込めて、仕返しと言う形で消化した。

それくらいの意地悪なら当然の権利だという和歌に、俺は本気で惚れ直した。

勢いで、告白までしてしまうくらいに。


和歌はすごくびっくりしていて。
さすがに自分でもタイミングを間違えたとは思ったんだ。

でも、言いだしたものは後には引けない。
どもりまくる和歌に俺は一言付け加えた。


「それにしてもすっげーチョコだったな。ホワイトデーにはこの三倍で仕返しさせてもらおう。返事もその時にくれ」


そう。勢いで自分でリミットまでつけてしまったのだ。


最終決戦はホワイトデー。

それまでに、俺は和歌を振り向かせることが出来るんだろうか。


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