ホワイトデー最終決戦
一方の和歌は、寂しそうな顔でそれをずっと眺めている。
「『なんで私が気を使ってやんなきゃなんないのよ』……てところか?」
和歌の内心を代弁すると、彼女は肩をびくつかせ、赤い顔で俺を睨んだ。
「……どうせ、心狭いですよーだ」
狭くねぇだろ。ムダに広い。
なんでお前がそんな泣きそうになりながらあいつらの手助けしなきゃなんねぇんだよ。
「大体、和歌は分かりやすいんだよ。克司もだけど。お前ら似たもん同士だよな」
「克司と一緒……?」
和歌は心外と言うような顔をしている。
おいおい、それは克司に失礼なんじゃないのか?
「なんか納得いかないな。まあでもいいや。考えるの面倒。私も帰ろう」
「あー」
俺達もせっかくの二人きりですけど?
せっかくのチャンスなのにもう帰る気なのかよ。
少しは一緒にいようとか思わないかな。
そりゃお前は別に俺の事は何とも思ってないんだろうけどさ。
俺の告白、ちゃんと聞いてたんだろ?
お前に気のある男に、その言いようは冷たいと思わないのか。
「和歌、腹減らない?」
「え? そう言えば減ったかな」
「俺もう耐えられないほど減ってるんだけど」