やっと捕まえた。

地下駐車場へ向かい、
車が入り口付近に止まった。

「高井？後頼んだ。」
「はい、お気をつけて。失礼します。」

後ろに付いたタクシーに乗込み
去った。

「笠原、乗って‼︎」「はい」

「飯食って行くか！」
車から見える景色‥。
静かな住宅街に入り、可愛らしい
建物。

「ここは、俺の知り合いの店なんだ。」
ドアを開けて中へ。

「いらっしゃい！おっ、直人！」
「飯食いに来た！」
私はそこに立つ人に‥。
「永井くん⁇」「葵〜！久しぶりだなぁ〜」
「なんで？二人？知り合いなの？えっ？
何か、混乱してるんだけど…。」


「あ〜。酔っ払いを拾ったんだよ」

真っ赤になる私。

「あれ、作って‼︎」「わかった！」
お店の中に広がるいい匂い。
トンと白いお皿には、
熱々のデミグラスハンバーグ。

一口、「うわー、美味しい！」
にっこり笑って、
「だろ！最高だわぁ‼︎ 永井 ！」
永井君が
「葵‥所で、お前なんで、いきなり転校？俺らめっちゃ心配したんだぞ！」

「ごめん。実はね。」
父親が知り合いと作った借金返済に
家を処分しなければいけなくなった事
隣の県に居る親戚を頼り、逃げる様に
移り住んだ。
その後、両親の離婚。
母子家庭になり家計も大変で、
私と弟は、それぞれ、アルバイトでお金を貯めて、それだけでは足りない学費。
奨学金制度を使い、大学に進学。

その後、大好きな仕事の出来る就職先が
cozy.coだった。

まだ、お母さんに、仕送りをしたいから
失敗して、仕事クビは、本当
困る。
だから、秘書を引き受ける事に。