やっと捕まえた。

あれから、直人の優しさをたくさんもらって、
また、仕事に集中していた。

プルプルー。電話がなった。
「笠原さん？外線1番に電話です！」


「はい！」
「デザイン課、笠原です。」
「ＪI の山本です。お世話になっております。デザインについてお話ししたい事があります。お時間作っていただけますか？」
私は、震えた。これは、仕事。
プライベートじゃないんだ。
直人に迷惑かけられない。
「承知いたしました。では、そちらのご都合は？」
「本日の7時に、表通りの
イタリアンレストランまで
お願いできますか？」
「はい、では後ほど。」

もし、また、何か言われるようなら
きちんと、さよならを言おう。
直人と歩き出す為に。