かさぶた
電話を切り、私の方を向いて目を見開く岡村くん。
「あ、っあー! ごめん!
委員長の話、おれ聞いてない!」
意識が私に戻ってきたのか、顔面蒼白になる勢いで謝罪を入れられる。
「待って、待ってねすぐ先輩に連絡────」
「その先輩って……」
遮るように口にした私の言葉に首を傾げて、動きを止める。
「……あ、気づいた?
ってか普通わかっちゃうよねー」
頬を染めて、髪をくしゃりと混ぜて。
「うん、そうだよ。
志乃(しの)先輩は、おれの大好きな彼女!」
ああ、────痛い。