かさぶた
化膿
◇
すっかり暗くなった帰り道。
ぽわんと街灯が浮かび上がるように光っている。
ちらりと隣に目をやると、身長が変わらないせいで顔がやけに近く感じる。
並んで歩いているのは、もちろん……、
「疲れたねー委員長」
んんーっと大きく伸びをした岡村くん。
「先生、人使い荒すぎだよね⁈
あの仕事、今日中に終わったのって奇跡だと思うんだけど!」
まぁ、確かにそのとおり。
作った飾りの数は、なんとふたり合わせて400個。
ほとんど話すこともなく、ひたすら作る羽目になっていたんだから。
私からすれば会話をせずに済んだことはよかったと思うけど、やっぱりすごく疲れた。
先生を恨むしかない。
だけど、……岡村くんと少しでも話せたことが嬉しくて。
放課後、ふたりでなにかをしながらぽつぽつと交わす言葉。
まるで、ただ初めての恋にドキドキふわふわしていた1年生の頃に戻ったみたい。