かさぶた
私の言葉はあなたを傷つけているかもしれない。
きっと聞きたくないと思っているわよね。
わかっているの。
余計なことかもしれないし、しない方がいいんじゃないかとも思っている。
でも、それでも。
────岡村くんを好きな私だから。
無理やり蓋をした気持ちは、なくならないこと。
余計に苦しいことを、知っているから。
あなたにだけは、なにがあってもそんな想いをさせたくないの。
そっと岡村くんの手に触れる。
もらったコーヒーから広がった熱。
手袋越しで、だけどじんわり。
ゆっくりとでもいいから、想いを乗せて、伝わればいい。
私のこのぬくもりは、あなたからもらったものだから。
ちゃんと、返すよ。
だからどうか、……受け止めてね。
好き。
言わない気持ちはみんな、掌にこめて。
あなたの力になれますように。
あなたの支えになれますように。