TRIGGER!2
それを見て、風間は慌てる。
「しっ・・・正面から・・・!?」
途端に、店の中が騒然とする。
これだけ敵がいると分かっている場所に突入するのに、これだけ堂々と正面から突っ込んで行く人間を見たのは初めてだ。
だが風間はすぐに我に返ると、峯口に続いて店の中に飛び込んだ。
フロアの中は、ショータイムが始まる前のように暗転していて、ステージの上の小さな照明だけが明かりを照らしていた。
まるで豆電球のような暗がりに見えたのは。
・・・赤い、ドレス。
「美和!!」
ステージの上で、意識を失って倒れている美和。
だがそのステージ前には、ガラの悪い奴等が立ちふさがっていた。
「その子は何も持ってなかっただろ?」
その男たちに向かって、峯口は低い声で言った。
相手も当然、今対峙しているこの男が峯口陽介だと理解しているらしく、誰も動く気配はない。
「テメェら・・・自分が何をしたか分かってるか?」
相手が動かないのが、風間は理解出来る気がした。
「俺の可愛い姪っ子に手ェ出すなんざ、いい度胸してんじゃねぇか。え?」
迫力が違う。
今までこんな男を、見たことがない。
峯口の後ろに立っている風間ですら、背筋が凍るようだった。
「返して貰うぞ」
峯口は肩越しに振り返ると、風間に目配せをした。
風間はステージに走り寄り、倒れている美和を抱き起こす。
「美和!」
その口元から、血が滲んでいて。
顔だけじゃない、ドレスは乱れ、あちこちが破れ、その身体にも痛々しい傷があちこちに付いている。
だが、風間が美和を抱き起こすと、うっすらと目を開けた。
「隼人・・・?」
「気がついてくれて良かった。ここから出ます」
「でもーー!」
「今は何も聞きませんよ。でも、元の世界に戻ったらちゃんと聞きます。立てますか?」
そう言いながら美和の手を引いて、立ち上がらせる。
美和は少し呻いて、頭を押さえた。
「隼人・・・どうして」
「あなたの叔父に当たるという方が、教えてくれました」
美和の手を引き、風間は店の入り口に向かう。
最早フロアは、戦場さながらの銃撃戦が繰り広げられていた。
だが峯口は一歩も引かず、あちこちに身を踊らせながら敵を1人、また1人と確実に倒していく。
多少銃弾がかすろうが関係ない。
そんな峯口のあまりの迫力に、敵が怯んでいるのがあからさまに分かった。
身動きすら出来ない男達に、峯口は不敵な笑みを浮かべ。
「テメェらの親分は、ここにゃ居ねぇんだな?」
そう言う峯口銃の腕は、ここにいる誰よりも抜きん出ていた。
少しでも動こうものなら、峯口はためらいなく引き金を引くだろう。
「おやぁ? 案外いい子達なんだなぁ。おい、お前」
峯口は風間を呼んだ。
名前で呼ばなかったのは、風間の素性を隠す為か。
「そろそろ動いていいぞ。美和を頼む」
風間は頷いて、美和を引き連れてフロアを出た。
「しっ・・・正面から・・・!?」
途端に、店の中が騒然とする。
これだけ敵がいると分かっている場所に突入するのに、これだけ堂々と正面から突っ込んで行く人間を見たのは初めてだ。
だが風間はすぐに我に返ると、峯口に続いて店の中に飛び込んだ。
フロアの中は、ショータイムが始まる前のように暗転していて、ステージの上の小さな照明だけが明かりを照らしていた。
まるで豆電球のような暗がりに見えたのは。
・・・赤い、ドレス。
「美和!!」
ステージの上で、意識を失って倒れている美和。
だがそのステージ前には、ガラの悪い奴等が立ちふさがっていた。
「その子は何も持ってなかっただろ?」
その男たちに向かって、峯口は低い声で言った。
相手も当然、今対峙しているこの男が峯口陽介だと理解しているらしく、誰も動く気配はない。
「テメェら・・・自分が何をしたか分かってるか?」
相手が動かないのが、風間は理解出来る気がした。
「俺の可愛い姪っ子に手ェ出すなんざ、いい度胸してんじゃねぇか。え?」
迫力が違う。
今までこんな男を、見たことがない。
峯口の後ろに立っている風間ですら、背筋が凍るようだった。
「返して貰うぞ」
峯口は肩越しに振り返ると、風間に目配せをした。
風間はステージに走り寄り、倒れている美和を抱き起こす。
「美和!」
その口元から、血が滲んでいて。
顔だけじゃない、ドレスは乱れ、あちこちが破れ、その身体にも痛々しい傷があちこちに付いている。
だが、風間が美和を抱き起こすと、うっすらと目を開けた。
「隼人・・・?」
「気がついてくれて良かった。ここから出ます」
「でもーー!」
「今は何も聞きませんよ。でも、元の世界に戻ったらちゃんと聞きます。立てますか?」
そう言いながら美和の手を引いて、立ち上がらせる。
美和は少し呻いて、頭を押さえた。
「隼人・・・どうして」
「あなたの叔父に当たるという方が、教えてくれました」
美和の手を引き、風間は店の入り口に向かう。
最早フロアは、戦場さながらの銃撃戦が繰り広げられていた。
だが峯口は一歩も引かず、あちこちに身を踊らせながら敵を1人、また1人と確実に倒していく。
多少銃弾がかすろうが関係ない。
そんな峯口のあまりの迫力に、敵が怯んでいるのがあからさまに分かった。
身動きすら出来ない男達に、峯口は不敵な笑みを浮かべ。
「テメェらの親分は、ここにゃ居ねぇんだな?」
そう言う峯口銃の腕は、ここにいる誰よりも抜きん出ていた。
少しでも動こうものなら、峯口はためらいなく引き金を引くだろう。
「おやぁ? 案外いい子達なんだなぁ。おい、お前」
峯口は風間を呼んだ。
名前で呼ばなかったのは、風間の素性を隠す為か。
「そろそろ動いていいぞ。美和を頼む」
風間は頷いて、美和を引き連れてフロアを出た。