TRIGGER!2
『あぁ、今夜は一段と騒がしい夜でなぁ。わしらも大忙しなもんで何も出来ないんだが・・・せめてお嬢ちゃんの耳には入れておこうかと思ってなぁ』
「何かあったのか?」
『一つは殺人事件だよ。殺されたのは、バー『ムスク』の店長だ』
彩香は目を細めた。
四階のホクロと一緒にドアを確認しに行った、あの店だ。
「一つはって事は、まだあんのか?」
『あるねぇ。もう一つは、殺人未遂事件だ。どこか分かるかい?』
わざわざ高田がこうして連絡をくれているという事は。
「スナック『レッドルビー』のママか?」
『ご名答。さすがお嬢ちゃんだなぁ』
水島千絵が拉致されてイチゴがこのマンションの下で撃たれた夜、高田は彩香のメモを見ている。
だから一晩で起きたこの2つの事件を、彩香に知らせてきたのだ。
「未遂っつう事は、あのオバサンはまだ死んでねぇんだな?」
『あぁ、あの店は経営が上手く行ってなくてな。未払いの金をたまたま催促に行った酒屋の兄ちゃんが、虫の息のママさんを見つけたそうだよ。だがかろうじて生きている』
酒屋の従業員が見たのは、『レッドルビー』のママが店のフロアの床に血まみれで倒れていた所だった。
『幸いな事に彼女は一命を取り留めたが・・・まだ話ができる状態じゃないんだよ。医者に聞いたら、麻酔が切れるのは今日の午後くらいだと言ってた』
高田の話によると、『ムスク』のバーテンダーも『レッドルビー』のママも、同じ手口で襲われていたそうだ。
胸と腹の二カ所を、刃渡り20センチを超えるようなナイフらしきもので刺されていた。
時間的には、襲われたのは『ムスク』の方が先。
だから、発見が遅れたバーテンダーは助からなかった。
『ありゃあ手慣れた人間の犯行だよ。まだ確定ではないんだがな、使われたのは素晴らしく切り口のいい脇差しだそうだ』
「脇差し?」
『昔の侍が刀と一緒に持ってた予備の武器だよ。よく時代劇で切腹に使うヤツさ』
確かに、そんなものを持ち歩いている一般人はいない。
それに、二人とも同じ場所を刺されている事からも、犯人がちゃんとした“人を殺すための知識”を持っていたのだと予想出来る。
「何かあったのか?」
『一つは殺人事件だよ。殺されたのは、バー『ムスク』の店長だ』
彩香は目を細めた。
四階のホクロと一緒にドアを確認しに行った、あの店だ。
「一つはって事は、まだあんのか?」
『あるねぇ。もう一つは、殺人未遂事件だ。どこか分かるかい?』
わざわざ高田がこうして連絡をくれているという事は。
「スナック『レッドルビー』のママか?」
『ご名答。さすがお嬢ちゃんだなぁ』
水島千絵が拉致されてイチゴがこのマンションの下で撃たれた夜、高田は彩香のメモを見ている。
だから一晩で起きたこの2つの事件を、彩香に知らせてきたのだ。
「未遂っつう事は、あのオバサンはまだ死んでねぇんだな?」
『あぁ、あの店は経営が上手く行ってなくてな。未払いの金をたまたま催促に行った酒屋の兄ちゃんが、虫の息のママさんを見つけたそうだよ。だがかろうじて生きている』
酒屋の従業員が見たのは、『レッドルビー』のママが店のフロアの床に血まみれで倒れていた所だった。
『幸いな事に彼女は一命を取り留めたが・・・まだ話ができる状態じゃないんだよ。医者に聞いたら、麻酔が切れるのは今日の午後くらいだと言ってた』
高田の話によると、『ムスク』のバーテンダーも『レッドルビー』のママも、同じ手口で襲われていたそうだ。
胸と腹の二カ所を、刃渡り20センチを超えるようなナイフらしきもので刺されていた。
時間的には、襲われたのは『ムスク』の方が先。
だから、発見が遅れたバーテンダーは助からなかった。
『ありゃあ手慣れた人間の犯行だよ。まだ確定ではないんだがな、使われたのは素晴らしく切り口のいい脇差しだそうだ』
「脇差し?」
『昔の侍が刀と一緒に持ってた予備の武器だよ。よく時代劇で切腹に使うヤツさ』
確かに、そんなものを持ち歩いている一般人はいない。
それに、二人とも同じ場所を刺されている事からも、犯人がちゃんとした“人を殺すための知識”を持っていたのだと予想出来る。