TRIGGER!2
彩香がイチゴに言い返す。
すると、山田青年が正義感に満ちた声を張り上げた
「大事なのは、これからどうするかですよ! だからこの街はダメなんです! 僕は・・・僕は、こんな街だからこそ何とかしたいと思ってこの所轄を希望したんです!」
「・・・・・・・」
握り拳で力説する山田を、全員が見つめる。
「まぁ、最近あまり聞かなかった真っ当な意見だな・・・」
ジョージが、ポツリと呟く。
この街でこんな事を言ってのける人間がいるとは思わなかった。
だから尚更新鮮で、聞いているこっちがビックリしたのだ。
「あぁっ神様! どうかこの子がこのまま育ちますように・・・!」
イチゴは胸の前で十字を切り、天を仰ぐ。
風間も思わず苦笑して。
「この心意気、大事だと思いますよ。君なら大丈夫です。俺と違って上司に恵まれていますから」
そう言いながら風間は手帳を取り出すと何かを書いて、山田に手渡した。
「これを、高田署長に渡してください。この情報を頂いたお礼だ、と」
「・・・はぁ・・・」
唯一、山田本人だけがこの連中のリアクションを理解出来ないでいるらしい。
そんな山田の肩にぽんと手を置くと、風間は彩香たちを見つめた。
「相手が分かった以上、こっちから仕掛けます」
「あぁ、分かった」
ジョージは頭の後ろで手を組んで、大きく伸びをする。
「私はこのまま少し準備をしますので・・・皆さんは一旦、マンションに帰っていて下さい」
「1人で大丈夫か?」
彩香の言葉には、また風間が勝手に1人で動くのではないかという心配も含まれていた。
それが分かっていて、風間は笑う。
「大丈夫です。相手が動きやすいように、少しだけ種をまくだけです。彩香さんが心配するような大立ち回りは絶対にしませんから」
「ホントかよ」
「あぁ~やっぱり女の勘って当たるのねぇ~。今夜は楽しくなりそう♪」
「テメェが言うな。女じゃねぇし怪我人じゃねぇか」
「やかましいわね彩香。何ならもっともっとゴージャスな衣装を貸してあげてもいいのよ?」
何故かやたらと盛り上がっている連中を見つめながら、山田は手渡されたメモを握り締めたまま、立ち尽くしていた。
その目には、これから明らかに真っ当ではない行動を起こそうとしている怪しい連中の姿が写っている。
だが何故か、それを咎める気にはなれない山田青年。
「じゃあ、行って来ますので。夜までは待機していてください」
そう言って、風間は屋上を出て行く。
それを合図に、連中もゾロゾロと歩き出して。
最後に彩香が、屋上のドアの前で山田を振り返る。
「あぁ、高田のジジイに言っておいて。一回だけなら飲みに付き合ってやる、ってな。もちろんジジイの奢りでな!」
ばいばーい、と片手を上げて姿を消す彩香。
「捜査資料・・・警察官がこんなに簡単に情報漏洩しちゃって・・・いいんでしょうか?」
やっと我に返り、山田は手の中のメモを見つめ、小さく呟いた。
すると、山田青年が正義感に満ちた声を張り上げた
「大事なのは、これからどうするかですよ! だからこの街はダメなんです! 僕は・・・僕は、こんな街だからこそ何とかしたいと思ってこの所轄を希望したんです!」
「・・・・・・・」
握り拳で力説する山田を、全員が見つめる。
「まぁ、最近あまり聞かなかった真っ当な意見だな・・・」
ジョージが、ポツリと呟く。
この街でこんな事を言ってのける人間がいるとは思わなかった。
だから尚更新鮮で、聞いているこっちがビックリしたのだ。
「あぁっ神様! どうかこの子がこのまま育ちますように・・・!」
イチゴは胸の前で十字を切り、天を仰ぐ。
風間も思わず苦笑して。
「この心意気、大事だと思いますよ。君なら大丈夫です。俺と違って上司に恵まれていますから」
そう言いながら風間は手帳を取り出すと何かを書いて、山田に手渡した。
「これを、高田署長に渡してください。この情報を頂いたお礼だ、と」
「・・・はぁ・・・」
唯一、山田本人だけがこの連中のリアクションを理解出来ないでいるらしい。
そんな山田の肩にぽんと手を置くと、風間は彩香たちを見つめた。
「相手が分かった以上、こっちから仕掛けます」
「あぁ、分かった」
ジョージは頭の後ろで手を組んで、大きく伸びをする。
「私はこのまま少し準備をしますので・・・皆さんは一旦、マンションに帰っていて下さい」
「1人で大丈夫か?」
彩香の言葉には、また風間が勝手に1人で動くのではないかという心配も含まれていた。
それが分かっていて、風間は笑う。
「大丈夫です。相手が動きやすいように、少しだけ種をまくだけです。彩香さんが心配するような大立ち回りは絶対にしませんから」
「ホントかよ」
「あぁ~やっぱり女の勘って当たるのねぇ~。今夜は楽しくなりそう♪」
「テメェが言うな。女じゃねぇし怪我人じゃねぇか」
「やかましいわね彩香。何ならもっともっとゴージャスな衣装を貸してあげてもいいのよ?」
何故かやたらと盛り上がっている連中を見つめながら、山田は手渡されたメモを握り締めたまま、立ち尽くしていた。
その目には、これから明らかに真っ当ではない行動を起こそうとしている怪しい連中の姿が写っている。
だが何故か、それを咎める気にはなれない山田青年。
「じゃあ、行って来ますので。夜までは待機していてください」
そう言って、風間は屋上を出て行く。
それを合図に、連中もゾロゾロと歩き出して。
最後に彩香が、屋上のドアの前で山田を振り返る。
「あぁ、高田のジジイに言っておいて。一回だけなら飲みに付き合ってやる、ってな。もちろんジジイの奢りでな!」
ばいばーい、と片手を上げて姿を消す彩香。
「捜査資料・・・警察官がこんなに簡単に情報漏洩しちゃって・・・いいんでしょうか?」
やっと我に返り、山田は手の中のメモを見つめ、小さく呟いた。