TRIGGER!2
「言っとくけどな」
佐久間を窓際・・・少女の方へ押しやって、彩香は黒ずくめ2人の前に立つ。
1人は佐久間と少女に狙いを付けていて、もう1人は彩香の額に銃を突き付けている。
だが彩香は微塵も怯まない。
「これを飲むのは、あたしの本意じゃねぇ」
言いながら、彩香は薬を口に入れた。
「だ・・・」
少女がこっちに駆け寄ろうとする。
だが、佐久間に止められた。
「ダメぇぇぇぇっ!!」
少女が叫ぶ。
薬を飲み込んだ彩香は、黒ずくめを睨み付けた。
「お前がその銃をあたしに向けたのは、間違いじゃねぇのか?」
言い終わらないうちに、彩香はホルダーから銃を抜いた。
目の前の1人は、引き金を引こうとするが、一瞬の躊躇いが生じる。
狙いを付けていたのは、彩香の頭だったからだ。
「そこ撃ったらあたしが死んじまうだろ!」
彩香はためらいなく、引き金を引いた。
目の前の黒ずくめは、ドサリとその場に崩れ落ちる。
間髪入れずにもう1人が彩香に銃を向け、彩香も振り向きざまに銃を撃とうとするが。
「・・・・!?」
一瞬早く、佐久間が黒ずくめの前に飛び出した。
彩香が動く間もなく、黒ずくめは引き金を引く。
銃弾は、佐久間の胸を貫いた。
「・・・っ!!」
崩れ落ちる佐久間の身体。
それを盾に、彩香は男の死角から銃を撃つ。
少女は口に手を当てたまま、身動きすら出来ないでいた。
「おい!!」
だが、佐久間を呼ぶ彩香の声に我に返ると、少女は慌てて佐久間に駆け寄る。
「お前、多少は力仕事、出来るか?」
彩香はそう少女に聞いた。
「裏庭であたしの仲間がいるんだよ。そいつなら、佐久間をすぐに病院に運べる。ここの二階の窓を通って、現実世界に帰れば、病院は近い」
上手くすれば、助かる見込みはある。
だからその窓際まで、佐久間を2人で運べれば。
だが佐久間は、首を横に振った。
「ここの窓から通じる空間の通り道は・・・もう、閉じてしまったよ」
彩香は眉を寄せた。
出血が酷い。
こうしている間にも、流れ出る血は佐久間のワイシャツを、赤く染めていく。
「あんたさっき、“あの男”って言ったよな?」
彩香は聞いた。
「背が高い奴の事だろ? 笑い顔が薄気味悪い・・・」
ドリームコーポレーションを出る時にも、アイツはそこにいた。
『薬は足りているか?』
そう、彩香に問い掛けて。
アイツは常に、彩香の近くにいる。
「そうだ・・・」
佐久間は頷く。
「アイツはな、あたしの・・・本当の仕事の、上司なんだよ。あたしは峯口彩香なんかじゃねぇんだ。本当は・・・コードネームで、呼ばれてるんだ」
佐久間を窓際・・・少女の方へ押しやって、彩香は黒ずくめ2人の前に立つ。
1人は佐久間と少女に狙いを付けていて、もう1人は彩香の額に銃を突き付けている。
だが彩香は微塵も怯まない。
「これを飲むのは、あたしの本意じゃねぇ」
言いながら、彩香は薬を口に入れた。
「だ・・・」
少女がこっちに駆け寄ろうとする。
だが、佐久間に止められた。
「ダメぇぇぇぇっ!!」
少女が叫ぶ。
薬を飲み込んだ彩香は、黒ずくめを睨み付けた。
「お前がその銃をあたしに向けたのは、間違いじゃねぇのか?」
言い終わらないうちに、彩香はホルダーから銃を抜いた。
目の前の1人は、引き金を引こうとするが、一瞬の躊躇いが生じる。
狙いを付けていたのは、彩香の頭だったからだ。
「そこ撃ったらあたしが死んじまうだろ!」
彩香はためらいなく、引き金を引いた。
目の前の黒ずくめは、ドサリとその場に崩れ落ちる。
間髪入れずにもう1人が彩香に銃を向け、彩香も振り向きざまに銃を撃とうとするが。
「・・・・!?」
一瞬早く、佐久間が黒ずくめの前に飛び出した。
彩香が動く間もなく、黒ずくめは引き金を引く。
銃弾は、佐久間の胸を貫いた。
「・・・っ!!」
崩れ落ちる佐久間の身体。
それを盾に、彩香は男の死角から銃を撃つ。
少女は口に手を当てたまま、身動きすら出来ないでいた。
「おい!!」
だが、佐久間を呼ぶ彩香の声に我に返ると、少女は慌てて佐久間に駆け寄る。
「お前、多少は力仕事、出来るか?」
彩香はそう少女に聞いた。
「裏庭であたしの仲間がいるんだよ。そいつなら、佐久間をすぐに病院に運べる。ここの二階の窓を通って、現実世界に帰れば、病院は近い」
上手くすれば、助かる見込みはある。
だからその窓際まで、佐久間を2人で運べれば。
だが佐久間は、首を横に振った。
「ここの窓から通じる空間の通り道は・・・もう、閉じてしまったよ」
彩香は眉を寄せた。
出血が酷い。
こうしている間にも、流れ出る血は佐久間のワイシャツを、赤く染めていく。
「あんたさっき、“あの男”って言ったよな?」
彩香は聞いた。
「背が高い奴の事だろ? 笑い顔が薄気味悪い・・・」
ドリームコーポレーションを出る時にも、アイツはそこにいた。
『薬は足りているか?』
そう、彩香に問い掛けて。
アイツは常に、彩香の近くにいる。
「そうだ・・・」
佐久間は頷く。
「アイツはな、あたしの・・・本当の仕事の、上司なんだよ。あたしは峯口彩香なんかじゃねぇんだ。本当は・・・コードネームで、呼ばれてるんだ」