TRIGGER!2
「彩香・・・」
その表情は。
少なくとも、風間の知っている彩香ではなかった。
まともに歩けない程の痛みが襲っている筈なのに、まるで何もないように、眉ひとつ動かさない。
「彩香!」
立ち上がって、風間は彩香の頬を両手で挟む。
目の前で大声で呼びかけ、やっと彩香は風間の顔を見つめた。
「彩香・・・?」
うつろな目で、彩香は呟く。
「おい隼人、店の中にゃ誰もいねぇ・・・」
その時、ジョージが店から出て来た。
そしてすぐに、彩香に気付く。
「彩香! おい、大丈夫か!?」
「様子がおかしい。直ぐにマンションに戻って、水島先生に」
「あたしなら、ここに居るけど?」
振り向くと、水島が立っていた。
その後ろには、桜子と友香、それに雛子の姿もある。
水島のロープは解かれていた。
「千絵ちゃん! 助けてくれ」
ジョージが水島の手を引っ張って彩香の前に連れて行く。
風間は桜子に声を掛けた。
「どうしてここに・・・?」
「マンションに2人、真っ黒い人が来たわ。舐められたもんよねぇ、たった2人なんて、あっという間に片付けちゃったわよ」
腕組みをしながら、桜子は笑う。
「だから暇になっちゃってね。現場がどうなっているか、見に来たの」
「だからって・・・」
まだ何かを言おうとする風間に、友香がグイッと近付いた。
「風間さん。考えてみたら水島先生も当事者の1人なのよ。だから彼女には、見届ける義務があると思う。それに、ガッツリ巻き込んだのはあなたよ」
それにはさすがの風間も、何も言い返せなかった。
「だがよ、店の中には誰も居なかったんだよ。何処に居やがるんだ、その田崎っつう野郎は」
クソッ、と舌打ちをするジョージ。
「どうですか、先生」
彩香の様子を見ていた水島に、風間が聞いた。
「そうねぇ、銃創はどっちも貫通してるから、早めに治療すれば命に関わる怪我ではないわ。だけどこの子、もしかして記憶がーー」
それを聞いた一同の動きが止まった。
その表情は。
少なくとも、風間の知っている彩香ではなかった。
まともに歩けない程の痛みが襲っている筈なのに、まるで何もないように、眉ひとつ動かさない。
「彩香!」
立ち上がって、風間は彩香の頬を両手で挟む。
目の前で大声で呼びかけ、やっと彩香は風間の顔を見つめた。
「彩香・・・?」
うつろな目で、彩香は呟く。
「おい隼人、店の中にゃ誰もいねぇ・・・」
その時、ジョージが店から出て来た。
そしてすぐに、彩香に気付く。
「彩香! おい、大丈夫か!?」
「様子がおかしい。直ぐにマンションに戻って、水島先生に」
「あたしなら、ここに居るけど?」
振り向くと、水島が立っていた。
その後ろには、桜子と友香、それに雛子の姿もある。
水島のロープは解かれていた。
「千絵ちゃん! 助けてくれ」
ジョージが水島の手を引っ張って彩香の前に連れて行く。
風間は桜子に声を掛けた。
「どうしてここに・・・?」
「マンションに2人、真っ黒い人が来たわ。舐められたもんよねぇ、たった2人なんて、あっという間に片付けちゃったわよ」
腕組みをしながら、桜子は笑う。
「だから暇になっちゃってね。現場がどうなっているか、見に来たの」
「だからって・・・」
まだ何かを言おうとする風間に、友香がグイッと近付いた。
「風間さん。考えてみたら水島先生も当事者の1人なのよ。だから彼女には、見届ける義務があると思う。それに、ガッツリ巻き込んだのはあなたよ」
それにはさすがの風間も、何も言い返せなかった。
「だがよ、店の中には誰も居なかったんだよ。何処に居やがるんだ、その田崎っつう野郎は」
クソッ、と舌打ちをするジョージ。
「どうですか、先生」
彩香の様子を見ていた水島に、風間が聞いた。
「そうねぇ、銃創はどっちも貫通してるから、早めに治療すれば命に関わる怪我ではないわ。だけどこの子、もしかして記憶がーー」
それを聞いた一同の動きが止まった。