TRIGGER!2
「ったく、こんなときに紛らわしい格好で出てくんな! それにあの“ドア”は確認済みだっつうの」
苛々と吐き捨てるジョージ。
だが風間は口元に手を当てて考え込む。
「待て、ジョージ。昨日の事件を思い出せ」
「昨日?」
「ここでの騒ぎだ。佐久間は昨日店から逃げる時、スターダストのドアを使っている。しかも、外側から鍵を掛けていた」
「あぁ、それで?」
「田崎がマンションにある固定型の“ドア”を知らないとしたら、使うのはここしかない。それが中から開かない以上、奴はこっちの世界に来れずに、俺たちの現実世界に居る可能性は高い」
「そうか!」
なるほどな、と裏路地へ向かうジョージ。
それを、桜子が呼び止める。
「待ってジョージ、彩香がこんな状態じゃ・・・」
雛子はただじっと、首もとに大きなホクロのついた美和を見つめながら立ち尽くしている。
何を感じるのか、ヴェールに隠れたその表情からは読み取れなかったが・・・少しだけ懐かしむような、穏やかな瞳だった。
彩香もゆっくりと顔を上げ、赤いドレスの女を見つめ。
ついさっきまで、一緒に居たはずの。
「あぁ、“ドア”か」
小さな呟きは、それでも、ここにいる全員の耳に、ハッキリと聞こえた。
「彩香!」
桜子と友香が、彩香に駆け寄る。
「あれ? こんなとこで何してんだよ、お前ら」
「分かるの!? あたしたちが分かるのね、彩香!!」
「痛ぇな、抱きつくな桜子」
桜子に思わず抱き締められて、彩香は肩の痛みに顔をしかめる。
そして、その後ろに立っているジョージと風間を見つめて、ニヤリと笑う。
「何してんだよ、ジョージと隼人まで・・・ほら、早く行くぞ」
「ねぇ、その傷、すぐに治療しないと治すのが面倒くさくなっちゃうから・・・早めに決着、つけてきてね」
歩き出す彩香に、水島は笑いながら声をかける。
最後の「あたしの分までね」と言う声は小さく、誰にも届かなかった。
「行ってこい。今の所、俺の占いは外れてはいない」
「あたしは占いには頼らねぇよ」
雛子に向かって強気な笑みを浮かべながら言い返す彩香。
「彩香さん」
友香は、横を通り過ぎようとする彩香の耳元で。
「ホントの美和は・・・?」
「大丈夫だよ。さっきーー会ってきた」
そう、と、ほっとしたように胸を撫で下ろす友香。
もしかしたら、こっちに来ないと本来の姿に戻れないという共通点で、2人は繋がっているのかも知れない。
苛々と吐き捨てるジョージ。
だが風間は口元に手を当てて考え込む。
「待て、ジョージ。昨日の事件を思い出せ」
「昨日?」
「ここでの騒ぎだ。佐久間は昨日店から逃げる時、スターダストのドアを使っている。しかも、外側から鍵を掛けていた」
「あぁ、それで?」
「田崎がマンションにある固定型の“ドア”を知らないとしたら、使うのはここしかない。それが中から開かない以上、奴はこっちの世界に来れずに、俺たちの現実世界に居る可能性は高い」
「そうか!」
なるほどな、と裏路地へ向かうジョージ。
それを、桜子が呼び止める。
「待ってジョージ、彩香がこんな状態じゃ・・・」
雛子はただじっと、首もとに大きなホクロのついた美和を見つめながら立ち尽くしている。
何を感じるのか、ヴェールに隠れたその表情からは読み取れなかったが・・・少しだけ懐かしむような、穏やかな瞳だった。
彩香もゆっくりと顔を上げ、赤いドレスの女を見つめ。
ついさっきまで、一緒に居たはずの。
「あぁ、“ドア”か」
小さな呟きは、それでも、ここにいる全員の耳に、ハッキリと聞こえた。
「彩香!」
桜子と友香が、彩香に駆け寄る。
「あれ? こんなとこで何してんだよ、お前ら」
「分かるの!? あたしたちが分かるのね、彩香!!」
「痛ぇな、抱きつくな桜子」
桜子に思わず抱き締められて、彩香は肩の痛みに顔をしかめる。
そして、その後ろに立っているジョージと風間を見つめて、ニヤリと笑う。
「何してんだよ、ジョージと隼人まで・・・ほら、早く行くぞ」
「ねぇ、その傷、すぐに治療しないと治すのが面倒くさくなっちゃうから・・・早めに決着、つけてきてね」
歩き出す彩香に、水島は笑いながら声をかける。
最後の「あたしの分までね」と言う声は小さく、誰にも届かなかった。
「行ってこい。今の所、俺の占いは外れてはいない」
「あたしは占いには頼らねぇよ」
雛子に向かって強気な笑みを浮かべながら言い返す彩香。
「彩香さん」
友香は、横を通り過ぎようとする彩香の耳元で。
「ホントの美和は・・・?」
「大丈夫だよ。さっきーー会ってきた」
そう、と、ほっとしたように胸を撫で下ろす友香。
もしかしたら、こっちに来ないと本来の姿に戻れないという共通点で、2人は繋がっているのかも知れない。