TRIGGER!2
「何やってんだあのバカ」
ため息混じりに、彩香は呟く。
峯口もしみじみと頷いて。
「ま、バカ息子は放っておいてよし。今はドアの確認が先だ」
ドアの確認という作業は、風間に言わせれば『子供のお使い以下』の仕事だ。
こうなったらさっさと終わらせて、それから隼人の件で動けばいい。
「分かった。で、ドアの場所は?」
同じ建物でも、あっちの世界に通じる『ドア』になりうる場所というのは、何ヶ所もある。
「それがだな」
神妙な顔で腕組みをしながら、峯口はうーんと唸る。
「どっかのバカが俺のパソコン持って行っちゃっただろ? だからドアの詳細な場所っつうのが」
「覚えてねぇのかよ」
呆れ顔で、彩香は言った。
「これでも覚えてる限りのリストをピックアップしたんだよ。いくら俺がそんじょそこらの奴よりも明晰な頭脳を持っているからって、何でもかんでも完璧に覚えてられる訳がねぇ。そのためのパソコンだろうが」
「そのパソコンが無くなったんだろ」
「ああっ、何で俺の大事なパソコン・・・!」
大袈裟に嘆きながら、峯口は頭を抱える。
タバコに火をつけながら、彩香も、風間がどうして峯口のパソコンなんか持って行ったんだろうと考える。
すると、頭をくしゃりと撫でられた。
「ま、気にすんな。お前は今の仕事に集中しろ」
「んなこと言ったって、場所わからねぇんだろ?」
「慌てるな。パソコンが無くたって策はある」
この男がこんな風に自信満々に何か言い切る時は、絶対に面倒臭い事を押し付けられる。
それが分かっていて彩香は、不信そうな視線を投げかけた。
「何だよその策ってのは」
「四階の奴を一緒に連れて行け」
見つけたのは四階の人なんだから、それは真っ当な意見だが。
彼(もしくは彼女)が一つの場所にじっとしているなんて、想像出来ない。
取り敢えず同じマンションに住んではいるが、すれ違った事もない。
ついでに言うと、彩香は奴がどんな姿をしているのかすら分からない。
「あんな奴どうやって捕まえるんだよ」
「いや~そこはさ、出来れば自分で考えて欲しいかな~・・・」
「あんたマジでいい加減だよな」
彩香は深いため息をついた。
ため息混じりに、彩香は呟く。
峯口もしみじみと頷いて。
「ま、バカ息子は放っておいてよし。今はドアの確認が先だ」
ドアの確認という作業は、風間に言わせれば『子供のお使い以下』の仕事だ。
こうなったらさっさと終わらせて、それから隼人の件で動けばいい。
「分かった。で、ドアの場所は?」
同じ建物でも、あっちの世界に通じる『ドア』になりうる場所というのは、何ヶ所もある。
「それがだな」
神妙な顔で腕組みをしながら、峯口はうーんと唸る。
「どっかのバカが俺のパソコン持って行っちゃっただろ? だからドアの詳細な場所っつうのが」
「覚えてねぇのかよ」
呆れ顔で、彩香は言った。
「これでも覚えてる限りのリストをピックアップしたんだよ。いくら俺がそんじょそこらの奴よりも明晰な頭脳を持っているからって、何でもかんでも完璧に覚えてられる訳がねぇ。そのためのパソコンだろうが」
「そのパソコンが無くなったんだろ」
「ああっ、何で俺の大事なパソコン・・・!」
大袈裟に嘆きながら、峯口は頭を抱える。
タバコに火をつけながら、彩香も、風間がどうして峯口のパソコンなんか持って行ったんだろうと考える。
すると、頭をくしゃりと撫でられた。
「ま、気にすんな。お前は今の仕事に集中しろ」
「んなこと言ったって、場所わからねぇんだろ?」
「慌てるな。パソコンが無くたって策はある」
この男がこんな風に自信満々に何か言い切る時は、絶対に面倒臭い事を押し付けられる。
それが分かっていて彩香は、不信そうな視線を投げかけた。
「何だよその策ってのは」
「四階の奴を一緒に連れて行け」
見つけたのは四階の人なんだから、それは真っ当な意見だが。
彼(もしくは彼女)が一つの場所にじっとしているなんて、想像出来ない。
取り敢えず同じマンションに住んではいるが、すれ違った事もない。
ついでに言うと、彩香は奴がどんな姿をしているのかすら分からない。
「あんな奴どうやって捕まえるんだよ」
「いや~そこはさ、出来れば自分で考えて欲しいかな~・・・」
「あんたマジでいい加減だよな」
彩香は深いため息をついた。