TRIGGER!2
まぁ、何もしないよりはマシだと、彩香は“AGORA”に行くことにした。
本人が居れば儲けだし、いないとしてもあの店の連中が何か知ってるかも知れない。
四階の住人が店にやってくる周期とか。
「・・・はぁ」
考えても仕方ない。
彩香は立ち上がると、着替えを始めた。
☆ ☆ ☆
「あら、いらっしゃ~い!」
真っ先に彩香を見つけてそう声をかけてきたのは、相変わらず金髪カールのカツラとイチゴ柄のドットをあしらったピンクのフリフリワンピースを着ている、ダミ声のイチゴだった。
軽く手を上げてカウンターに座ると、この店のママである桜子がおしぼりを持って、彩香の前にやってきた。
「いらっしゃい、今日はジョージ来てないわよ?」
濃紺の落ち着いた着物を着ていて、化粧もバッチリだが。
ここにいるスタッフ全員、男性である。
「そんなにいつもいつもジョージとつるんでる訳じゃねぇよ」
言いながらも、彩香は店の中をぐるりと見渡す。
カウンターの後ろのボックス席には何組かの客が騒いでいたが、目当ての人物はいないようだ。
「どうする彩香、昨日のボトル無くなったわよ」
そうだった、と、彩香は新しいボトルを頼んだ。
もう何も言わなくても桜子は、ロックでウイスキーを注いでくれる。
「どうしたの? 今日はずいぶん老けてるわねぇ」
どうして彩香の周りの連中は、こうもずけずけと言いたい事を口にするのだろう。
確かに、今朝からの一件では、相当疲れてはいるが。
さっきまで爆睡していたのだ、気分的には何も問題ナシだ。
だがこの店は相変わらずお祭り騒ぎで、うかうかしているとこっちまで余計な体力を使いかねない。
だから早々に、本題に入る事にした。
本人が居れば儲けだし、いないとしてもあの店の連中が何か知ってるかも知れない。
四階の住人が店にやってくる周期とか。
「・・・はぁ」
考えても仕方ない。
彩香は立ち上がると、着替えを始めた。
☆ ☆ ☆
「あら、いらっしゃ~い!」
真っ先に彩香を見つけてそう声をかけてきたのは、相変わらず金髪カールのカツラとイチゴ柄のドットをあしらったピンクのフリフリワンピースを着ている、ダミ声のイチゴだった。
軽く手を上げてカウンターに座ると、この店のママである桜子がおしぼりを持って、彩香の前にやってきた。
「いらっしゃい、今日はジョージ来てないわよ?」
濃紺の落ち着いた着物を着ていて、化粧もバッチリだが。
ここにいるスタッフ全員、男性である。
「そんなにいつもいつもジョージとつるんでる訳じゃねぇよ」
言いながらも、彩香は店の中をぐるりと見渡す。
カウンターの後ろのボックス席には何組かの客が騒いでいたが、目当ての人物はいないようだ。
「どうする彩香、昨日のボトル無くなったわよ」
そうだった、と、彩香は新しいボトルを頼んだ。
もう何も言わなくても桜子は、ロックでウイスキーを注いでくれる。
「どうしたの? 今日はずいぶん老けてるわねぇ」
どうして彩香の周りの連中は、こうもずけずけと言いたい事を口にするのだろう。
確かに、今朝からの一件では、相当疲れてはいるが。
さっきまで爆睡していたのだ、気分的には何も問題ナシだ。
だがこの店は相変わらずお祭り騒ぎで、うかうかしているとこっちまで余計な体力を使いかねない。
だから早々に、本題に入る事にした。