TRIGGER!2
「レディースエンドジェントルマン! 今日のお客さんはラッキーだよ!」
大音量の音楽と共にアナウンスが流れる。
客はそれぞれに口笛を鳴らしたり、手を叩いたりして大喜びだ。
そして一気に、音楽が止んだ。
一瞬静まり返る店内。
「天下一品のセクシーさで全ての人を魅了する幻のダンサー、美和の登場だ!」
「ぶっ!!」
その途端、彩香は飲もうとしていたグラスを落としてしまう。
店員が慌てて後始末をしに近付いて来て、床を拭いている。
一言謝ってお代わりを注文するが、視線はステージに釘付けだった。
今、何て言った?
だがまた大音量のリズムが店内に響き渡り、客の歓声も一際大きくなった。
だから、肩を叩かれるまで、自分が誰かに話しかけられているのにも気付かなかった。
「お客様、申し訳ありません」
彩香の肩を叩いた従業員は大声で話しているのだが、耳を近付けてやっと聞こえるくらい、フロアはうるさい。
「他にテーブルが空いていないので、相席をお願いしたいんですが。女性お一人なんですけど」
どうせ直ぐに帰る予定なんだから、問題はない。
彩香が頷くと、従業員は礼を言って一旦戻って行った。
何を勿体付けているのか、なかなか出て来ないステージを睨むように見つめていると、4人掛けのテーブルの向かい側に誰かが座る気配がした。
そっちに視線を向けると、1人の女がこっちに軽く頭を下げた。
あれ? と、彩香はその女を見つめる。
ワンポイントのロゴが付いた黒いTシャツとジーンズという、カジュアルな格好をしているが。
よぉく見ると、夕方峯口に連れて行かれた店“結(ゆい)”のママ、斉藤友香だ。
あの時は純和風の居酒屋に似合う着物に割烹着という姿だったから、一瞬分からなかったが。
「お疲れさん。自分の店は終わったのか?」
彩香は言いながら、友香のグラスに店員が運んできた自分のグラスを軽くぶつけた。
友香は笑顔を浮かべながら頷く。
その時、ステージに誰かが現れた。
先ず目に入ったのは、赤いドレス。
彩香は思わず立ち上がったが、後ろの客に見えないと文句を言われた。
大音量の音楽と共にアナウンスが流れる。
客はそれぞれに口笛を鳴らしたり、手を叩いたりして大喜びだ。
そして一気に、音楽が止んだ。
一瞬静まり返る店内。
「天下一品のセクシーさで全ての人を魅了する幻のダンサー、美和の登場だ!」
「ぶっ!!」
その途端、彩香は飲もうとしていたグラスを落としてしまう。
店員が慌てて後始末をしに近付いて来て、床を拭いている。
一言謝ってお代わりを注文するが、視線はステージに釘付けだった。
今、何て言った?
だがまた大音量のリズムが店内に響き渡り、客の歓声も一際大きくなった。
だから、肩を叩かれるまで、自分が誰かに話しかけられているのにも気付かなかった。
「お客様、申し訳ありません」
彩香の肩を叩いた従業員は大声で話しているのだが、耳を近付けてやっと聞こえるくらい、フロアはうるさい。
「他にテーブルが空いていないので、相席をお願いしたいんですが。女性お一人なんですけど」
どうせ直ぐに帰る予定なんだから、問題はない。
彩香が頷くと、従業員は礼を言って一旦戻って行った。
何を勿体付けているのか、なかなか出て来ないステージを睨むように見つめていると、4人掛けのテーブルの向かい側に誰かが座る気配がした。
そっちに視線を向けると、1人の女がこっちに軽く頭を下げた。
あれ? と、彩香はその女を見つめる。
ワンポイントのロゴが付いた黒いTシャツとジーンズという、カジュアルな格好をしているが。
よぉく見ると、夕方峯口に連れて行かれた店“結(ゆい)”のママ、斉藤友香だ。
あの時は純和風の居酒屋に似合う着物に割烹着という姿だったから、一瞬分からなかったが。
「お疲れさん。自分の店は終わったのか?」
彩香は言いながら、友香のグラスに店員が運んできた自分のグラスを軽くぶつけた。
友香は笑顔を浮かべながら頷く。
その時、ステージに誰かが現れた。
先ず目に入ったのは、赤いドレス。
彩香は思わず立ち上がったが、後ろの客に見えないと文句を言われた。