TRIGGER!2
「知ってるのかよ」
「さっき聞いたばっかだ。ここに来る前に寄った居酒屋でな」
そんな早い時間から店を開いている居酒屋を、彩香は一件だけ知っている。
「聞いた、じゃなくて教えてもらったんだろ。筆談か何かで」
「俺が居ない間に何か変わった事がないかと思ってお前に電話したけど、出なかっただろ」
それで電話を寄越したのか。
でもそれなら友香の居酒屋に足を運ばなくても、峯口に電話した方が早いと思うのだが。
だがこの親子が仲良しではない事を知っている彩香は、そんな疑問を口には出さなかった。
「俺だってお前から美和って言う言葉を聞いた後、色々と動いてたんだよ。その時点で隼人が暴走するのは目に見えてたしな」
「じゃあ何で止めねぇんだよ?」
「間に合う訳ねぇだろ。お前の徹夜に付き合わされて爆睡してたんだからな」
「知るか。付き合ったのはテメェだ」
その風間が峯口のパソコンを持ち出した事は、ジョージには黙っておく。
「じゃあ教えてもらおうか、その動いた結果とやらを」
「薬、だよ」
煙を吐きながら、ジョージは言った。
「薬?」
彩香は聞き返す。
「あぁ、薬だ。向こうでな、最近薬の取り引きが活発化してんだよ。んでその薬の出所を調べてたら、ここに行き着いた」
ショーは盛り上がっていて、客達はそれぞれに興奮状態だ。
たかが名もない新人のダンサーにこれだけ熱狂しているのは、彩香の目にはどこか異常に映る。
「ま、来てみた後からお前が来て、面白いモノ見せてくれたけどな」
「何が面白ぇんだよ」
確かに、内部事情を探るという峯口の采配には問題がなかったとは言えないが。
彩香だって、あのエロオヤジ相手に限界まで頑張ったのだ。
とにかく、ジョージはジョージなりに美和の件を調べて薬というキーワードを得て、この“スターダスト”にたどり着いたらしい。
肝心の、暴走している風間を捕まえるという事は出来なかったが。
「薬って何だよ、麻薬か何かか?」
「似たようなもんだが、使い方によっちゃ万人を救える、魔法の薬だよ」
ジョージはそう言って笑う。
「さっき聞いたばっかだ。ここに来る前に寄った居酒屋でな」
そんな早い時間から店を開いている居酒屋を、彩香は一件だけ知っている。
「聞いた、じゃなくて教えてもらったんだろ。筆談か何かで」
「俺が居ない間に何か変わった事がないかと思ってお前に電話したけど、出なかっただろ」
それで電話を寄越したのか。
でもそれなら友香の居酒屋に足を運ばなくても、峯口に電話した方が早いと思うのだが。
だがこの親子が仲良しではない事を知っている彩香は、そんな疑問を口には出さなかった。
「俺だってお前から美和って言う言葉を聞いた後、色々と動いてたんだよ。その時点で隼人が暴走するのは目に見えてたしな」
「じゃあ何で止めねぇんだよ?」
「間に合う訳ねぇだろ。お前の徹夜に付き合わされて爆睡してたんだからな」
「知るか。付き合ったのはテメェだ」
その風間が峯口のパソコンを持ち出した事は、ジョージには黙っておく。
「じゃあ教えてもらおうか、その動いた結果とやらを」
「薬、だよ」
煙を吐きながら、ジョージは言った。
「薬?」
彩香は聞き返す。
「あぁ、薬だ。向こうでな、最近薬の取り引きが活発化してんだよ。んでその薬の出所を調べてたら、ここに行き着いた」
ショーは盛り上がっていて、客達はそれぞれに興奮状態だ。
たかが名もない新人のダンサーにこれだけ熱狂しているのは、彩香の目にはどこか異常に映る。
「ま、来てみた後からお前が来て、面白いモノ見せてくれたけどな」
「何が面白ぇんだよ」
確かに、内部事情を探るという峯口の采配には問題がなかったとは言えないが。
彩香だって、あのエロオヤジ相手に限界まで頑張ったのだ。
とにかく、ジョージはジョージなりに美和の件を調べて薬というキーワードを得て、この“スターダスト”にたどり着いたらしい。
肝心の、暴走している風間を捕まえるという事は出来なかったが。
「薬って何だよ、麻薬か何かか?」
「似たようなもんだが、使い方によっちゃ万人を救える、魔法の薬だよ」
ジョージはそう言って笑う。