TRIGGER!2
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“スターダスト”を出て、彩香とジョージはまだ煌々と灯るネオンの街並みを、肩を並べて歩いている。
ジョージはジョージで何かを考えているらしく、何も話し掛けて来ない。
だが彩香には、そのほうが良かった。
店を出てからどうも、頭が重い。
そんなに飲んではいない筈なのに、まるで二日酔いのようだ。
確かに疲れてはいるが、それ以前に体調がどうもおかしい。
「・・・・・」
彩香は軽くため息をついて、こめかみを押さえる。
「どうした彩香。もしかして眠いのか?」
こっちの顔を覗き込んで、ジョージは言った。
「んなワケねぇよ。まだ宵の口だろ」
「あんまり無理すんな」
「・・・バカにしてんのか?」
「あのなぁ」
ジョージは呆れたように。
「普通に心配してるだけだろ。どーしてお前は」
そう言いかけた、その時。
ガチャン! と何かが割れるような音がして、それから小さな爆発音が聞こえてきた。
「え?」
彩香とジョージは思わず、そっちに視線を送る。
その先には、峯口が所有する高級クラブ“AYA”があった。
その店の前で、不信な動きをする男が数人。
そのうちの1人が、手に持っていた火炎瓶を、店の中に投げ込んでいる。
揃いも揃って全員が黒づくめの格好で、この熱帯夜にも関わらず、黒いニット帽を被っていた。
それを見ると同時に、彩香は走り出す。
「おい・・・!」
ジョージも慌てて彩香の後を追った。
あの連中は。
マンションで水島を連れ去った連中と同じじゃないのか。
男達が連れ立って“AYA”に入っていく。
数秒遅れて彩香とジョージは店に着き、ドアを勢いよく開けた。
店内はあちこちに火柱が上がっていて、慌てふためくホステス達と客の悲鳴が店の中に響いていた。
彩香は一番手前の男に、後ろから飛びかかる。
「・・・・!?」
不意打ちを食らう形で倒れた男に気付いた仲間が、こっちに向かって持っていた銃を構えた。
やはりこいつらも、マンションの時と同じように銃を持っている。
ジョージと2人なら相手にできない人数ではない。
だが銃を持った相手に、客達に怪我をさせないように倒すには、いささか分が悪い。
“スターダスト”を出て、彩香とジョージはまだ煌々と灯るネオンの街並みを、肩を並べて歩いている。
ジョージはジョージで何かを考えているらしく、何も話し掛けて来ない。
だが彩香には、そのほうが良かった。
店を出てからどうも、頭が重い。
そんなに飲んではいない筈なのに、まるで二日酔いのようだ。
確かに疲れてはいるが、それ以前に体調がどうもおかしい。
「・・・・・」
彩香は軽くため息をついて、こめかみを押さえる。
「どうした彩香。もしかして眠いのか?」
こっちの顔を覗き込んで、ジョージは言った。
「んなワケねぇよ。まだ宵の口だろ」
「あんまり無理すんな」
「・・・バカにしてんのか?」
「あのなぁ」
ジョージは呆れたように。
「普通に心配してるだけだろ。どーしてお前は」
そう言いかけた、その時。
ガチャン! と何かが割れるような音がして、それから小さな爆発音が聞こえてきた。
「え?」
彩香とジョージは思わず、そっちに視線を送る。
その先には、峯口が所有する高級クラブ“AYA”があった。
その店の前で、不信な動きをする男が数人。
そのうちの1人が、手に持っていた火炎瓶を、店の中に投げ込んでいる。
揃いも揃って全員が黒づくめの格好で、この熱帯夜にも関わらず、黒いニット帽を被っていた。
それを見ると同時に、彩香は走り出す。
「おい・・・!」
ジョージも慌てて彩香の後を追った。
あの連中は。
マンションで水島を連れ去った連中と同じじゃないのか。
男達が連れ立って“AYA”に入っていく。
数秒遅れて彩香とジョージは店に着き、ドアを勢いよく開けた。
店内はあちこちに火柱が上がっていて、慌てふためくホステス達と客の悲鳴が店の中に響いていた。
彩香は一番手前の男に、後ろから飛びかかる。
「・・・・!?」
不意打ちを食らう形で倒れた男に気付いた仲間が、こっちに向かって持っていた銃を構えた。
やはりこいつらも、マンションの時と同じように銃を持っている。
ジョージと2人なら相手にできない人数ではない。
だが銃を持った相手に、客達に怪我をさせないように倒すには、いささか分が悪い。