TRIGGER!2
「隼人」
彩香は真っ直ぐに、風間を見つめた。
「何ですか?」
「美和はもう・・・いねぇんだよ」
銃のセフティーロックを外そうとしていた風間の動きがピタリと止まる。
「過去の亡霊に捕まってるんじゃねえよ」
「私はーー」
「気にしてるからそうやって1人でケリつけようとしてんだろ。今だってそうだ。ジョージと合流して水島を預けて、お前はどうすんだよ! また1人で動くのか!? この件の相手はお前1人じゃどうにもならねぇんだ、そんなの死にに行くようなもんじゃねぇか!!」
一気にまくし立てて、彩香はそれでも風間から目を逸らさなかった。
風間は目を伏せたまま、黙っている。
「何があったか知らねぇけどな、お前1人じゃ過去には勝てねぇよ。隼人・・・あたしも手伝っちゃダメなのか?」
その言葉に、風間はようやく顔を上げた。
薄明かりの中、彩香は真剣な顔で風間を見つめている。
「あたしだってあれから色々動いてたんだ。ジョージだって同じだよ。だから今ここにいるんだ」
お前を信じている。
峯口は、そう言っていた。
その後に、こうも続けていた。
『風間もジョージも、同じだと思うぜ?』
その言葉が本当なら。
「・・・分かりました」
強張った表情を緩ませて、風間は言った。
そして、中空をみつめて。
「いや、分かってたんだ。俺は何も・・・変わってない」
「え?」
「何でもないです。さ、敵は近いですから。作戦、少しだけ変更してもいいですか、彩香さん」
「何だよ?」
「私はジョージと合流して、この建物を出ます。ジョージと一緒に敵を全て引きつけますので、彩香さんはその隙に先生を連れてマンションに戻って下さい。出口は割と簡単です」
言いながら風間はスーツのジャケットから手帳とペンを取り出して、書いたメモを彩香に渡す。
それを受け取りながら、彩香は風間を見上げた。
「そんな事言ってお前」
「分かったと言ったでしょう? 大丈夫ですよ。ちゃんとジョージと一緒に戻りますから」
風間はそう言って銃を構え、音がする方へ走って行った。
「ホントに分かったのかよ、アイツ」
そんな風間の後ろ姿を見つめながら、彩香はボソッと呟いた。
「ほら、いつまで座ってるんだよ。行くぞヤブ医者!」
「え?」
「テメェだよ!!」
彩香は水島を無理やり立ち上がらせた。
彩香は真っ直ぐに、風間を見つめた。
「何ですか?」
「美和はもう・・・いねぇんだよ」
銃のセフティーロックを外そうとしていた風間の動きがピタリと止まる。
「過去の亡霊に捕まってるんじゃねえよ」
「私はーー」
「気にしてるからそうやって1人でケリつけようとしてんだろ。今だってそうだ。ジョージと合流して水島を預けて、お前はどうすんだよ! また1人で動くのか!? この件の相手はお前1人じゃどうにもならねぇんだ、そんなの死にに行くようなもんじゃねぇか!!」
一気にまくし立てて、彩香はそれでも風間から目を逸らさなかった。
風間は目を伏せたまま、黙っている。
「何があったか知らねぇけどな、お前1人じゃ過去には勝てねぇよ。隼人・・・あたしも手伝っちゃダメなのか?」
その言葉に、風間はようやく顔を上げた。
薄明かりの中、彩香は真剣な顔で風間を見つめている。
「あたしだってあれから色々動いてたんだ。ジョージだって同じだよ。だから今ここにいるんだ」
お前を信じている。
峯口は、そう言っていた。
その後に、こうも続けていた。
『風間もジョージも、同じだと思うぜ?』
その言葉が本当なら。
「・・・分かりました」
強張った表情を緩ませて、風間は言った。
そして、中空をみつめて。
「いや、分かってたんだ。俺は何も・・・変わってない」
「え?」
「何でもないです。さ、敵は近いですから。作戦、少しだけ変更してもいいですか、彩香さん」
「何だよ?」
「私はジョージと合流して、この建物を出ます。ジョージと一緒に敵を全て引きつけますので、彩香さんはその隙に先生を連れてマンションに戻って下さい。出口は割と簡単です」
言いながら風間はスーツのジャケットから手帳とペンを取り出して、書いたメモを彩香に渡す。
それを受け取りながら、彩香は風間を見上げた。
「そんな事言ってお前」
「分かったと言ったでしょう? 大丈夫ですよ。ちゃんとジョージと一緒に戻りますから」
風間はそう言って銃を構え、音がする方へ走って行った。
「ホントに分かったのかよ、アイツ」
そんな風間の後ろ姿を見つめながら、彩香はボソッと呟いた。
「ほら、いつまで座ってるんだよ。行くぞヤブ医者!」
「え?」
「テメェだよ!!」
彩香は水島を無理やり立ち上がらせた。