あの丘の上の公園で
その頃の俺はサッカーが大好きだったし、プロになりたいと思ってたぐらいだ。
でもそれもすぐに砕かれた。
「くだらない事をやっているんじゃない。学生らしく勉強して、私のようにデキる大人になるんだ。サッカー選手になって食っていけるような奴らは、ごく僅かなんだ。わかってるな?」
そうやって父に何度も何度も言われた。
言われ続けているうちに俺も諦めた。
自分で自分の人生を諦めてしまった。
日本に来たのだって、俺からサッカーを忘れさせて遠ざけるためだ。
熱りが冷めたら、またドイツに戻る気なのだろう。
そんな状況で、日本に来て新生活にワクワクできるか?
できないよな。
何と無く過ごして、卒業して父の背中を追っていくだけ。