ハッピー☆ラッキー
「僕と学年一緒なんだね。はいこれ!」
彼が笑顔で問題集を差し出した。
「あ、ありがと……」
震える手でそれを受け取るも、
うっぎゃぁぁぁ!!!!
彼の手が触れ、思わず後ろに飛びのいてしまいそうになる。
心臓だけじゃない、脳みそだってパンク寸前。
怪訝な表情の彼はわたしのこと、挙動不審な女だと思っているよね……。
「それじゃ、数学頑張ってね」
彼は爽やかな笑みを浮かべると、本棚から同じ問題集を手に取り、レジへと向かった。
「うわ、何あのかっこいい人……」
会計を済ませ、店を出る彼の後ろ姿に胸の奥が熱く疼く。
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