ハッピー☆ラッキー



「ナナの事情はわかってる。だけど、北相のバレー部はナナの力が必要なの。

お願い、試合に出なくてもいい、ベンチにいてくれるだけでいいの。わたし達に力を貸して!!!!」


お兄ちゃんといい、


亜子に千尋、その他諸々……


そっとしておいて欲しいのに、


わたしの傷に触れて欲しくないのに、


触れるだけじゃない、


傷口に塩を擦り込むようなこと、


しないでよ!!!!


ダメだ……


睡眠不足で反撃する元気もない。


頭が痛くなってきた。


「ごめん、今日は帰る……」


これは夢、


質の悪い夢。


かなり疲れているみたい、わたし、


早く帰ろう。


寝てしまえば悪夢なんて忘れてしまえる。


背後で美帆が何か叫んでいたけれど、耳を貸す余裕なんてなく、昇降口を後にした。



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