ハッピー☆ラッキー
「ナナは小さいし、どんなボールが来ても正確なパスが出せるからリベロもいいが、セッターに向いているかもな」
これが転機だった。
お兄ちゃんの何気ない一言がわたしのバレー観を変えた。
本当はお兄ちゃんみたいにエースアタッカーになってスパイクを決められるようになりたかった。
いつかはお兄ちゃんみたいに背が伸びるだろう。
そうしたらもっと決定率が高くなる。
という期待も虚しく背は伸びなかった……。
でも、160センチ台のアタッカーが通用するのは中学まで、
世界レベルを考えたら、長身選手との高さでの勝負は火を見るよりも明らかだ。
スパイクが打てなくても、チームが勝てば同じこと。
小さな体でチームを支えるリベロやセッターも悪くないと思った。
この頃から何度もレシーブを受け、トスを上げる練習を繰り返した。
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