ハッピー☆ラッキー



身長170センチの亜子を上回る175センチの千尋の高さと破壊力のあるスパイクに部員一同度肝を抜かれた。


次々と決まるスパイクに胸が躍った。


これだ!!!!


わたしが求めていた攻撃力。


大物ルーキーの入部に体育館にいた誰もが即戦力でレギュラー確定と思ったに違いない。


「あの……生意気言っちゃいますけど、キャプテンのトス、すごくいいです!!!!


こんなに気分良く打てたの初めてです!!!!」


目を輝かせて千尋が言った。


「当然よ、それがセッターの役目なんだから。

でも、そう言ってもらえるとセッター冥利に尽きるわね」


これがバレーの面白さ。


だから辞められない。


「キャプテン、顔が緩んでいますよ」


亜子に窘められ、


「言ったじゃないですか?全てが解決するって。

キャプテンと千尋の相性も良さそうだし、あんなに生き生きとプレーする千尋はわたしも初めて見ました。

今年はいけますよ、全国制覇。わたしだって負けませんけどね」


クールな亜子の目に熱く燃えるものを感じた。



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