ハッピー☆ラッキー



ふと、千鶴さんと目が合った。


「ナナさん、さっきの話聞いてたでしょ?」


黒い笑みを浮かべる千鶴さんにドクンッ!と心臓が跳ね上がる。


鋭い……。


鋭すぎる…。


彼女は亜子と同じ臭いを感じる……。


否定してもバレバレなわけで……。


観念し、ゆっくりと頷いた。


「お、お兄ちゃんと美鶴代先生……付き合ってるって……本当、なの?」


一気に核心を突いた質問をお兄ちゃんと美鶴代先生に向けた。


「ナ、ナナ、それはだな……つまり、その……」


「ナ、ナナちゃん、あのね……」


ふたりは頬を赤く染め、言葉にならない


「どうやらわたしがふたりのキューピッドになっちゃったみたいね」


なんて、意地悪く言ったら、


ボカッ!


「いったーい!!!」


耳まで真っ赤になったお兄ちゃんからゲンコツを食らった……。



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