ハッピー☆ラッキー



「千鶴、ナナちゃんは病人なのよ」


「千鶴、お前の勘違いとはいえ、ナナを傷つけたことは許せないことだ。話すならここで話せ」


厳しい表情を見せたふたりに、千鶴さんは慌てて、


「大丈夫だってば!もう殴ったりしないから。


これは私とナナさんの問題なの、いいでしょ?ナナさん」


わたしと千鶴さんの問題といったら、あのことしかない。


無言で頷くしかなかった。


美鶴代先生から15分という時間をいただき、体調に変化が見られたらすぐにナースコールするようにと釘を刺された。


病室を出る時のお兄ちゃんの心配そうな顔に噴き出しそうになったことは言わないでおこう……。



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