ハッピー☆ラッキー

「ナナさん、あなた最大級の勘違いをしているわ。

そもそも何で私と慶介がカップルになっちゃうわけ？」


呆れた口調の千鶴さんに、


「わたし見たんです。ラッキーと仲良く散歩しているふたりを……」


そう、あの時あなたに嫉妬した。


敵わないと思った。


千鶴さんは納得したように頷くと、


「同じ日に私は見たの、海翔とあなたが体育館で練習しているのを。

お姉ちゃんと海翔、お互い忙しくてなかなか会えないというのに、違う女の子……しかも若い子じゃない？てっきり浮気だと思って……はらわたが煮えくり返ったなんてもんじゃなかったわ」


拳を握り締める千鶴さんに腰が引けたことは言うまでもない……。


千尋さんは、そんなわたしを見て、「もう殴らないって言ったでしょ？」と、クスクス笑いながら、


「ラッキーは私の犬よ。今住んでるマンションがペット禁止だから実家で飼ってもらってるの。


で、慶介に散歩してもらっているというわけ」



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