ハッピー☆ラッキー



「わたしの場合、誕生日が7月7日で、その日の朝、空に綺麗な虹がかかっていたから和夏(ナナ)と付けたと聞きました。

お兄ちゃんには『海翔』なんてカッコいい名前付けたのに、二人目ともなると安直に考えちゃうみたいですね?」


本当に、わたしは雑に育てられたと思うよ……。


「そんなことないと思うけど……7月7日生まれ……

って、ナナちゃん、今日じゃない!誕生日!!!!」


あ……


そうだった……。


朝からお母さんがごちそう作るって張り切っていたっけ。


「はーい、タイムアウトよ。

ナナちゃん、具合悪くない?千鶴、もう十分よね?」


お兄ちゃんと美鶴代先生が病室に戻ってきた。


「OKよ!私、ナナちゃんと仲良しになったの。そうよね?ナナちゃん」


千鶴さんはCMと同じ弾けるような笑みを浮かべ、わたしに向かってウィンクをした。



.
< 183 / 275 >

この作品をシェア

pagetop